厳選された素材
金沢の建具(石川県・金沢)
~妥協許さない職人の粋~
戦火や大きな自然災害のなかった金沢には今でも古い町並みが残されていて、
その風情が京都に似ていることから「小京都」とも呼ばれています。
工業製品の普及に伴い既製品を組み込むだけの家作りが主流になった今日、
電動工具しか扱えない職人が多くみられるようになりましたが、
昔ながらの民家や歴史的建築物の日常的な手入れや修復を担う一流の職人が多い金沢では、
繊細な伝統技術がしっかりと今に受け継がれています。
木の表面を美しく仕上げるために必要不可欠な道具『鉋(かんな)』を自在に使いこなすには、
最低10年の修行が必要だと言われますが、サンドペーパーと鉋仕上げでは数十年後の質感がまるで違うのです。
一切の妥協を許さない職人の技術が、組み立て式和室「庵 IORI」には随所に生かされています。